認知システム論
<人工知能の基礎>
コンピュータサイエンスコース 4年第1学期(春

2016年度からは,コンピュータサイエンスコースのみが対象です.(受講者は極めて少数の見込み)
情報工学コース及び生体情報コースは,情報理工学コース「人工知能」が振替え科目となります.
担当 栗原正仁 (知能ソフトウェア研究室)
 
 
  この授業では,人工知能(AI)の基礎となるモデル,アルゴリズム,プログラミング,およびアプリケーションの概要を学びます.具体的には,つぎのような項目について学習します.
人工知能ソフトウェアの特徴の1つは,事前に決めた手順どおりに動作するのではなく,ある程度緩やかな知識や指示だけ与えておけば,そのときどきの自分の周り(環境)の状況に応じて,自動的な意思決定を行って,適切な行動を選択して実行するという点です.これは,探索と呼ばれる技術に関係しています.コンピュータにチェスなどをさせるゲームプレイングもその技術を利用します.探索の処理には一般にかなり時間がかかるのですが,実時間(リアルタイム)のアルゴリズムも考案されています.
実際のAI ソフトウェアに知識を与えるには,知識の表現を行う手段が必要です.また,その表現された知識から如何に新しい知識を導き出すか,という技術は一般に推論と呼ばれています.このような知識の表現と推論の技術は,目的に応じて,さまざまなものが考えられています.数学のような厳格で論理的な知識は,論理式を基礎とした表現が用いられ,論理的推論が行われます.一方,人間がもつあいまいな知識の表現や推論にはファジィ理論に基づく技術が使われます.不確実な知識の場合は,確率を用いた知識の表現と推論が使われます.また,そもそも知識が欠けている場合は,学習と呼ばれる推論技術を用いて,知識の獲得が行われます.
さきほど述べた「ある程度緩やかな知識や指示」が,意思決定内容を表す変数の間の制約と呼ばれる形式で記述された場合,効率良い探索アルゴリズムが開発されています.制約はそのすべてが満たされなければならないという点で「大域的」です.しかし,何らかの意味で制約を「局所的」に満たすことを当面のタスクとして,それを拡張あるいは改善することによって,大域的な解を得ようとするアルゴリズムがあり,実用上,重要です.

 ホームページは,授業の進度に応じて,随時アップデートします.授業で使うノート付きスライドもダウンロードできます.


成績評価
   レポートおよび期末試験により総合的に判定します.詳しくは,こちら
    出席が講義回数の80%に満たないものは不合格とします.遅刻や途中退室は欠席とみなします.
過去の試験問題 
   2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
スケジュール
内   容 PPT PPTX
PDF
ガイダンス
AIプログラミング
探索(1) 探索による問題解決
探索(2) 盲目的探索
探索(3) ヒューリスティック探索
探索(4) 実時間探索
探索(5) ゲームプレイング
知識と推論(1) 論理による知識の表現と推論
知識と推論(2) あいまいな知識の表現とファジィ推論
10 知識と推論(3) 不確実な知識の表現と確率推論
11 知識と推論(4) 決定木による知識の獲得
12 制約充足(1) 制約充足問題(CSP)
13 制約充足(2) 木探索によるCSPの解法
14 制約充足(3) 局所探索によるCSPの解法
15 期末試験/レポート提出  − − 
授業予定は都合により変更となることがあります.

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参考文献

(探索)
エージェントアプローチ人工知能,S. Russell, P. Norvig 著,共立出版(1997)
Javaによる知能プログラミング入門,新谷虎松 著,コロナ社(2002)

(知識と推論)
■(論理) エージェントアプローチ人工知能(第2版), S. Russell, P. Norvig 著,共立出版 (2003)
(ファジィ) ニューロ・ファジィ・遺伝的アルゴリズム,萩原将文 著,産業図書(1994)
(ベイジアンネット) 知能システム工学入門,松本啓之亮,黄瀬浩一,森直樹 著,コロナ社(2002)
(決定木) 知識と推論新田克己 著,サイエンス社(2002)

(制約充足)
知識の表現と高速推論,石塚満 著,丸善(1996)
エージェントアプローチ人工知能(第2版), S. Russell, P. Norvig 著,共立出版l (2003)
Constraint Processing,R. Dechter 著,Morgan Kaufmann(2003)